見出し画像

AI-OCRの活用について

 スマートシティ推進課では、デジタル化に向けた取り組みを進めています。その取り組みの中で、AI技術を用いたサービスを積極的に導入し、業務の改善と効率化を進めています。AI-OCRもAI技術を用いたサービスの1つであり、その利用拡大を進めています。

そもそもOCRとは?


 Optical Character Recognition(光学文字認識)の略で、画像をテキストに
変換する技術です。

OCRについてさらに詳しく

・歴史的背景について

 19世紀に光電管(光の強さを電気に変換する装置)が発明されたことで、スキャナ装置が開発されました。この装置で取り込んだ文字データを、視覚障がい者の方が読めるよう支援しようとしたツールがOCRの原点です。日本では1968年に郵便番号が導入されると、手書きの数字を読み込むためにOCRが活用され始めました。

AI-OCRの利点とは?

 AI-OCRは、OCRとは異なりディープラーニング(コンピュータが自ら作業を行い学習する仕組み)の技術が組み込まれており、手書きの文字認識率が向上しています。また、ディープラーニングにより前後の文脈や手書きの癖から文字を予測して、読み取ることができます。さらに、設定を工夫することによって、定型ではない書式も読み取ることもでき、その読取範囲の広さがAI-OCRの魅力です。
 
 AI-OCRを導入することでどのような効果が得られたかについて読者の皆様に紹介すべく、当市の介護高齢課に取材を行いました。

AI-OCR利用者の声

1)いつごろから利用していますか

 導入が始まった令和2年からです。

2)導入のきっかけは

 スマートシティ推進課(当時:情報政策室)がAI-OCRを導入したことを知り、打ち込み作業を効率化するため、介護高齢課でも活用することにしました。

3)どういった業務に用いていますか

 介護高齢課では、介護サービスの利用を希望される方に対して、申請を基に要介護認定を行っています。認定には認定調査が必要で、調査票をOCRで介護システムに取り込んでいます。しかし、桑名市の介護保険に加入しているものの、遠方にお住まいの方の要介護認定における認定調査は、他自治体等に委託し、委託先から送られる調査票は色々な様式がありますので、介護システムに取り込むために桑名市の様式に合わせる必要があります。AI-OCR導入前はWordに手入力した上で、内容を確認し、桑名市の様式に合わせて作成していました。AI-OCRを導入することで、送られてきた調査票を瞬時にデータ化することができるようになりました。

4)どのくらい業務効率化が図れましたか

 手作業で年間75時間程かかっていたものが、AI-OCRを活用することで20時間程度になり、約66%という大幅な作業時間を削減することができました。削減できた時間は他の業務にあてることができ、きめ細かいサービスにつなげることができています。

まとめ

 AI-OCRを活用することで、手作業を大幅に減らし、業務の効率化を進めることができます。これからもスマートシティ推進課の取り組みを発信していきます。最後までご覧いただきありがとうございました。

参照ページ
「自治体における AI活用・導入ガイドブック<導入手順編>」
https://www.soumu.go.jp/main_content/000820109.pdf

総務省